5日(日)は東京都鍼灸師会の「臨床鍼灸スポーツトレーナー研修会」に出席してまいりました。
今回の演題は
【日本ライフセービング協会のテキストに基づくBLS(心配蘇生)の研修会】
鍼灸師にとって必要な救命法を学ぶ研修会(心配蘇生法・AED)
〜大切な人のいのちを見つめ、行動できるように〜
講師は、立教大学スポーツウエルネス学部スポーツウエルネス学科准教授、日本ライフセービング協会 BLSインストラクター、
後関慎司先生でした。
「あなたは愛する人を救えますか?」
自分の目の前に倒れている人がいて、心肺停止になっている、
そういう場面に遭遇した時に、
一次救命措置を実践できるかどうか?
・職場で同僚が倒れるかもしれません(私で言えば自分の治療院内で患者様が突然心肺停止になるかもしれません)。
・身内が倒れるかもしれません。
・スポーツの現場で選手や観客が倒れるかもしれません(東京都鍼灸師会の活動で言えば、マラソンボランティアのブース内でランナーが突然心肺停止になるかもしれません)。
・大勢の人が集まるようなイベントやお店で誰かが倒れるかもしれません。
・街中で突然目の前の人が倒れるかもしれません。
日本では救急車が現場に到着するまでの時間は平均8.9分だそうです。
それまで何もしないのと、一次救命措置を行うのとでは、天と地の差が出てしまいます。三途の川を渡らせない、救急車が到着するまでの一次救命措置の全ての瞬間が鍵を握っていると思います。
人が倒れてから、一次救命措置を行い、救急搬送され、病院での二次救命措置と集中治療まで「救命の連鎖」を途切れさせない事が【救える命を救う】事に繋がります。
今回の研修会は非常に充実した内容の研修会でした。
学びがたくさんありました。
・胸骨圧迫と人口呼吸は30:2。
胸骨圧迫を30回ごとに人口呼吸を2回です。
何よりも胸骨圧迫が中断する時間を最小限にする事が大切です。
仮に人口呼吸でうまく息が入らなかったと思っても3回はやりません、2回までです。
・胸骨圧迫は強く(約5cm沈む力で)、速く(1分間に100〜120回のテンポ、世界に一つだけの花のテンポ)、絶え間なく(中断を最小限にする)。
・人は何より脳の活動が大切です。心肺停止になっている間も胸骨圧迫をして脳への血流を確保する事がとても重要です。
その他、載せられないくらいたくさんの学びがありました。
午前中は座学、午後は実技でした。9:30amから4:30pmまで。
特に実技はみっちりトレーニングを受ける事ができました。
「知っている」だけでは役に立ちませんので、「実践できる」、これに繋がる大変有意義なトレーニングでした。
最後に実技試験と筆記試験がありました。
試験がある研修会は良いですね。
皆さんの「熱」と申しますか、「本気度」に満ちた研修会でした。
お陰様で資格をいただく事もできました。
一般市民の皆様が1人でも多く、「心配蘇生」ができるように、このような資格を取っていただく事も大切です。
ですが、、、
まずその前に全ての鍼灸師が胸骨圧迫、AEDを始めとした一次救命措置を“実践できる”ようになる事が非常に重要だと思いました。
なぜならば一般市民の皆さんは、
医師、看護師、理学療法士、鍼灸師、様々ありますが、“白衣”を着ている人、“医療従事者”はみんな胸骨圧迫ができて、AEDも使えると思っているはずだからです。
充実した素晴らしい研修会をありがとうございました。