バイオメカニクス的観点から考える走るために必要な力

ランニングは片足ずつ地面に接地します。
接地すなわち地面を押すことによって生じる反発・反力・地面反力を使って前へ進んでいきます。
この時に鉛直方向の反力(縦方向)と水平方向の反力(横方向)があります。
鉛直方向の反力は自分の重心を支えます。→安定した接地につながります。
水平方向の反力は推進力になります。

接地時間は10kmを60分~70分くらいで走る場合、0.3秒~0.4秒です。
走るということは短い接地時間の中で、自分の体重を支える+前へ進むという作業をしていきます。
そのためより良いバランスを作ると効率良く走れることにつながっていきます。
効率の良い走りは、速さ、疲れにくい、終盤に失速しない、筋肉や関節への負担を減らす、ランニング障害の予防になる、といったことにつながります。

重心線から各関節が外れていると、動く時の関節モーメントが大きくなります。アクセルを踏み込まないと推進力が出ません。筋疲労がおきやすい、スピードが出にくい、故障のリスクが高まる、といったことにつながります。
理想の重心線だと前傾すれば自然に下肢が出てスムーズに重心の移動がおきます。
理想の重心線から外れれば外れるほど、より筋出力が必要になってきます。
バランスが良いとテコの原理が働いて、少ない力で前への重心移動がスムーズになります。

膝関節を屈曲していくとボールの空気が抜けるがごとく臀筋の力が抜けていきます。
姿勢が崩れ反力を受けにくくなります。
空気がしっかり入っているボールのほうが反力を受けるのでよく弾みます。
筋肉も同じでスカスカに抜けていると反力を受けにくくなります。
臀筋が緩んだ片足の接地になると膝関節がつぶれてグラグラします。踏ん張りが効かなくなります。鉛直方向の反力を受けにくくなるので自分の体重を支えにくくなります。
骨盤が後傾し重心が後ろに残るので水平方向への反力を受けにくくなります。

「重心線」、「歩行、歩く」、「重心線 2」、「支持基底面」、「走行、走る」について理解を深め、
その上でバランスの良い走りを考察し、「バイオメカニクス的観点から考える走るために必要な力」を考え、
理想のランニングフォームについて考察してまいりました。
以上、ブログで6編に分けてのシリーズでございました。

投稿者

oneteam

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